こんにちは、はるかみです!
僕は「凡人でも努力すれば資産10億円は達成できるんじゃないか?」を証明するため、日々株式投資に本気で挑戦しています!
さて、バリュー株投資をしていると、「ただ安いだけの株」ではなく、「安くて、これからも成長してくれる良い会社」に投資したいと誰もが思いますよね。
僕もベンジャミン・グレアム流の「シケモク株」のような割安株を探すのが得意なのですが、そこから一歩進んで「素晴らしい会社」を見つける方法はないかと考えていました。
実は、そのヒントになるのが、あのウォーレン・バフェットが過去に使っていたと言われる「ワンダラーテスト(1ドルテスト、one dollar test)」という手法です。
今回は、このワンダラーテストの考え方と、具体的な計算方法について解説していきます!
経営者の通信簿?「ワンダラーテスト」(One Dollar Test)の核心
まず、この「ワンダラーテスト」が何なのか、結論からお伝えします。
これは、「経営陣が、会社に残した利益(内部留保)を使って、どれだけ企業価値を高められたか?」を測る、いわば経営者の通信簿のようなものです。
例えば、会社が1年間で100円の利益を出したとします。
もし配当を出さなければ、この100円はそのまま会社の資産になりますよね。 ワンダラーテストが問うのは、「この100円が、将来的に100円以上の価値を生み出しているか?」という一点です。
もし経営陣がこの100円をうまく使って事業を成長させ、時価総額を110円増やせたなら、それは「素晴らしい経営」だと言えます。
逆に、価値を80円しか増やせなかったとしたら? バフェットは「それなら事業で使うより、配当や自社株買いで株主に直接還元した方が良かったよね」と考えるわけです。
計算は意外とシンプル!ワンダラーテストの公式
このテストは、以下の簡単な計算式でチェックできます。通常、5年間といった期間で見るのが一般的です。
ワンダラーテスト = (5年間の時価総額の増加額) ÷ (5年間の純利益の合計 − 5年間の配当金の合計)
分母の「純利益の合計から配当金の合計を引いたもの」が、会社が株主に還元せず、事業のために内部に留保したお金(内部留保)の合計額です。
この計算結果が「1」を上回っていれば、経営陣は内部留保した金額以上に株主価値を高められた、と判断できます。
【実践】新日本建設をワンダラーテストで分析してみた
では、実際に僕が保有している「新日本建設」を例に計算してみましょう。(※データは動画撮影時点のものです)
- 5年間の時価総額の増加額
- 約398億円でした。
- 5年間の内部留保の合計
- 5年間の純利益合計から配当金合計を引くと、約484億円でした。
これを先ほどの式に当てはめて計算します。
398億円 ÷ 484億円 = 約0.82
結果は「0.82」となり、1を下回りました。 この数字だけを見ると、「新日本建設は、内部留保したお金を十分に企業価値の向上に繋げられていない」と解釈できます。
【最重要】テスト結果の正しい見方と注意点
「じゃあ、1を下回っている株はダメなのか?」というと、話はそう単純ではありません。ここからがこのテストの面白いところです。
1. 本当のバリュー株の可能性
テスト結果が「0.6」のように極端に低い場合、別の見方ができます。
それは、「会社は着実に利益を内部留保で積み上げているのに、市場がその価値に気づいておらず、株価が不当に安く放置されている」という可能性です。
つまり、これこそが「本当のバリュー株」であるサインかもしれないのです。
2. 一度の結果で判断しない
今回は直近5年間のデータだけで計算しましたが、これだけだとコロナ禍のような特殊な要因に結果が左右される可能性があります。
そのため、
2019年~2024年、2018年~2023年…というように、期間を1年ずつずらして(ローリングして)何度も計算し、平均的にどうなのかをチェックすることが非常に重要です。
3. 使えない会社もある
このテストは万能ではありません。M&A(企業の買収)を頻繁に行う会社や、大規模な自社株買いをしている会社、あるいは伊藤忠商事のようなコングロマリット(複合企業)には適用しにくいです。
事業内容が比較的シンプルな会社でこそ、効果を発揮するテストだと覚えておいてください。
まとめ
ワンダラーテストは、企業の価値創造能力を測る上で非常に合理的で、面白いツールです。
このテストの結果が1を上回っている、あるいは1に近い水準で安定している会社なら、「この会社が今後100億円の利益を出せば、僕たちの資産もそれに比例して増えていくだろう」という安心感を持って投資できます。
もちろん、結果が悪いからダメ、良いから絶対大丈夫、というものではありません。大切なのは、このテストを通じて「この会社の経営陣は、株主から預かった資本をどう扱っているのか?」と深く考えることです。
ぜひ、皆さんもご自身の保有銘柄で試してみてはいかがでしょうか。
