こんにちは!
はるかみの投資研究室へようこそ!
米国ではトランプ氏が当選して株価爆上げなのに、日本の銘柄は石破氏が当選しいまいちパッとしません…。
しかもドル円相場は11/14時点で155円弱とかなりの円安局面に来ています。
基本的に円安=株高で日経平均株価も影響を受けてきたわけですが、ここ最近は相関関係も高くありません。
むしろ、
円安→株安と通貨は売られるわ
株式も売られるわ
それでも米国株は上がってるわ
とどうなってるんや?となっている方も多いと思います。
ということで本日はこの円安なのに株安を研究していきたいと思います!
円安=株高?
そもそも円安は日本株にとってプラスなのでしょうか?
いくつか理由があげられますが、簡単に言えば
- 時価総額の大きい日本の大企業は自動車や電子機器など輸出業が多い=円安で利益が増える
- 円安により日本の資産が割安になるため、外国人投資家が日本株を買いに来る
他にも観光の需要が増えたりなど様々な変化があるものの、この2点が大きく寄与していると考えられます!
また、大企業が円安により見た目上の利益が増えることにより業績が更に改善され投資家心理的が市場全体に波及し株価上昇となっている側面もあると思います。
2024年11月現在のドル円と日経平均株価の相関関係
では、次に先述した為替と株の相関関係を見ていきましょう。
相関係数とは
+1 : 完全な正の相関を示します。片方の変数が増加するともう片方も必ず増加する関係です。
-1 : 完全な負の相関を示します。片方の変数が増加すると、もう片方は必ず減少します。
0 : 無相関を示し、2つの変数には関連性がほとんどないことを意味します。
ちなみに、ドル円と日経平均株価の相関係数は
- 過去1年で0.6071
- 過去3年で0.7384
です。
それが9月の中頃から見ると11月辺りを境に逆相関(相関係数が-0.6辺り)に来ているのが見て取れます。
皆さんも円安円安ですごいなぁと思うのに、思ったより日経平均あがらないなぁと感じてたんではないでしょうか?
これはドル円と逆相関とまではいかなくても相関関係が弱くなっていたのが原因です。
では、なぜ今円安と株安が同時に起きているのか?
これは仮説にすぎませんが、いくつか理由が考えられます。
一緒に見ていきましょう!
- 米国の金融政策に対する懸念
米国連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために金利引き上げを継続するとの観測が強まっています。これにより、米国の長期金利が上昇し、ドルが買われて円安が進行しています。しかし、高金利政策は米国経済の減速リスクを高め、世界経済全体への影響が懸念されるため、投資家心理が悪化し、日本株の売り圧力が増加しています。
→とはいえ、米国株は割としっかり上昇しているので関連性はそれほど高くないかもしれません。 - 日本国内の経済指標の悪化
2024/11/7に発表された日本の経済指標において、消費者信頼感や企業の業績見通しが下方修正されるなど、国内経済の先行きに対する不安が広がっています。これにより、内需関連株を中心に売りが優勢となり、株価下落の一因となっています。 - 為替と株価の関係の変化
通常、円安は日本の輸出企業にとって有利とされ、株価上昇要因と考えられます。しかし、急激な円安は輸入コストの増加を招き、企業の利益を圧迫する可能性があります。特に、エネルギーや原材料を多く輸入する企業にとっては、コスト増加が収益に悪影響を及ぼすことがあります。 - 円安による利上げ観測
いきすぎた円安は輸出業者によってはいいかもしれませんが、輸入に頼る会社には厳しいものがあります。円安にいけばいくほど、日銀が金利を上昇させる可能性が出てくるわけです。以前、金利を上げる際に日本株がとてつもなく売られたことは記憶に新しいと思いますが、これが再度引き起こされる爆弾が膨らんでるようなイメージです。
この辺りが実際考えられやすい理由かなと思います。
また、FRBは直近利下げを行っているわけですが、米国金利は上昇しています。
↓米国10年の国債
米国の金利は依然として日本よりも高く、ドル資産の収益性が相対的に魅力的です。
特にトランプ氏が当選したことにより、米国株の期待感と上昇は強く資金が米国に流れていることも関係していると思われます。
(この辺りは月末に集計されて来月半ばにJPXから見ることができます。)
円安で日本株への投資妙味があるものの、円安が急速に進行すると、為替リスクを避けるため、日本から米国への資金移動が加速することがあります。これにより、ドル建て資産への需要が高まり、米国株式市場に資金が流入しやすくなります。
このようなことから、
円安+株安+米国株上昇
のサイクルが起きていると考えられます。