こんにちは!
はるかみです。
2025年5月3日、ネブラスカ州オマハで行われたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、ついにひとつの時代が幕を閉じました。世界的なレジェンド投資家であり、長年にわたり“オマハの賢人”として尊敬されてきたウォーレン・バフェット氏が、94歳にしてバークシャー・ハサウェイのCEOを退任することを発表したのです。
この株主総会は、単なる企業の報告会を超えた存在です。毎年、世界中の投資家たちがオマハに集まり、バフェット氏の“金言”を一目聞こうと熱気に包まれます。そして今回、引退を発表した最後の総会は、まさに歴史的な一日となりました。
60年という長きにわたりバークシャーを率いてきたバフェット氏が、この日語った言葉には、人生哲学、投資哲学、そして時代を超えた洞察が詰まっていました。以下に、今回の株主総会で語られた20の重要なトピックを時系列に沿ってまとめました。
投資や人生、そして幸せについて…今回の内容はどれも本当に学びの多いものでした。最後まで読んでいただければ、きっと心に残る言葉に出会えるはずです。
ぜひゆっくり読んでみてください!
Warren Buffett氏の金言
1. 開会の挨拶と総会の概要
バフェット氏は、自身にとって60回目となる株主総会の開会を宣言し、過去最高の来場者数を記録したことを報告しました。See’s CandiesやBrooksなどの子会社も売上記録を更新し、総会の盛況ぶりを強調しました。
See’sはバフェット自身が「もし毎年See’sを1箱ずつもらっていたら、買収額はタダだったようなもの」と語るほどお気に入りのチョコ屋さん!(笑)
2. アップルCEOティム・クック氏への謝辞
バフェット氏は、アップルのティム・クックCEOが総会に出席していることに触れ、同氏のリーダーシップによりバークシャーが多大な利益を得たことを称賛しました。また、スティーブ・ジョブズ氏がクック氏を後継者に指名した判断の正しさを強調しました。
3. 日本の商社株への投資と評価
バフェット氏は、日本の5大商社(伊藤忠、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)への投資について、これらの企業がバークシャーの投資哲学に合致していることを述べました。また、これらの企業を長期的に保有する意向を示しました。
さらに、2020年のパンデミック以降、円建てで巨額の投資を行ったことがきっかけで、日本企業に対する見直しを進めてきた背景も明かしました。資源、物流、食料事業など多角的な収益構造と、配当性向の高さ、株主還元姿勢、安定的な利益基盤に加えて、日本の企業文化に対する深い理解と信頼を重視していると語りました。
更に日本政府の金利政策、企業の株主還元姿勢、資源価格の推移などを総合的に分析し、「これは見過ごされた宝石だと確信した」との言葉も印象的でした。経営陣との信頼関係や日本的経営の強みにも言及し、短期収益ではなく“文化に根差した安定感”を評価していると説明しました。
「1000億ドル投資していればよかった」と語ったほど、日本市場に対する評価は高く、今後も協業や追加投資を視野に入れていることを示唆しました。
日本の商社株はとんでもなく安く、保有比率を10%上限にしたものの、その上限をあげてもらえないか交渉もしているそうです!
はるかみも5大商社には大きく投資しているので、今後に期待ですね!
(ちなみにバフェットより前に購入してますw)
4. 投資哲学と市場の見通し
ウォーレン・バフェット氏は、市場の暴落時こそが優良企業を割安で購入する好機であると強調しました。「99%の人が逃げ出したくなる瞬間こそが、最も利益が生まれる瞬間だ」と断言し、暴落時の恐怖を逆手に取る投資家こそが真の成功者だと語りました。
その哲学の実例として、過去に取得したコカ・コーラ株やワシントン・ポスト株など、暴落時に購入して長期で保有したことが大きなリターンを生んだと説明しました。「株式市場は投票機ではなく、計量器である」という言葉を引用し、短期的な人気や話題で動く株価と、企業の本質的価値は一致しないと強調しました。
さらに、バークシャーが約3,470億ドルもの現金を保有しているのは、このような突発的な買い場に素早く対応するためだとし、「待つことが最大の行動であることもある」と述べ、忍耐と慎重さを投資家の美徳として位置付けました。
「平凡な会社を割安で買うより、優良企業を適正な価格で買うほうがよっぽどいい」という言葉もありました。バリュー株投資を専門にするはるかみにもここは刺さる言葉でした!!
5. 通貨とインフレリスクへの懸念
今年の総会で特にバフェット氏が強調したのが、インフレリスクと通貨への信頼についてです。「政府が意図的に通貨の価値を下げる動機を持っていることが、最大のリスクだ」と述べ、長期的にインフレによって自国通貨の信頼が失われる可能性を懸念しました。
「私たちは世界中で、自国通貨の信認を失った国家がどうなったかを歴史で見てきた。インフレは税の一形態だが、透明性がなく気づかれにくいため、最も危険な形なのだ」と語り、戦後ドイツ、アルゼンチン、ジンバブエなどを例に暗に触れました。
また、現在のアメリカの財政赤字水準(GDP比7%超)を「過去のどの時代よりも長く、深刻」と指摘し、経済成長に対する深い影響を警告。「何かが永遠に続かないなら、いつか終わる」とのスタインの法則を引用し、「投資家はこの現実から目を背けてはいけない」と語気を強めました。
日本の財政赤字水準も実はコロナ禍以降6%超で結構高い数字が出てるんだよなぁ…。
6. 人生と幸福に関する哲学
バフェット氏は総会で、「私は世界で最も幸せな人間の一人だと感じている」と語り、その理由を「毎朝ワクワクして起きられること」「自分が尊敬する人と仕事ができていること」「学び続けられる環境があること」に挙げました。
彼はまた、「人生で本当に成功したかどうかは、自分が老いたときに周囲に“心から自分を愛してくれる人”がどれだけいるかでわかる」と語り、愛され、信頼される人間であることこそが“人生の最終的な投資成果”であるとしました。
「いくら金を稼いでも、孤独で、誰からも信頼されていなければ、その人生は失敗だ」と述べ、「誠実でいることは、最も利回りの高い“人間関係の投資”だ」と表現しました。これは長年の株主にも、若い来場者にも大きな感銘を与えました。
まだ学び続けようとするバフェット氏。
僕たちが学びを止めてはいけませんねw
7. 後継者問題とグレッグ・アベル氏の役割
バフェット氏は、バークシャーの後継者としてグレッグ・アベル氏を指名し、年末にCEOの座を譲る意向を示しました。アベル氏はすでに多くの実務を担っており、「最も重要な経営判断は、すでに彼が行っている」との説明もありました。
「私はこの先も株主としてバークシャーを見守り続けるが、日々の経営はアベルがやっていく。彼は私よりずっと若く、賢く、熱意がある」と述べ、会場からは万雷の拍手が送られました。経営哲学の継承を強調しつつ、スムーズな移行が進んでいることを株主に印象づけました。
8. 株主との質疑応答
総会では、株主からの質問にバフェット氏やアベル氏が丁寧に回答しました。質疑は約4時間にわたり、投資戦略、企業文化、財政、AIや気候変動といったテーマにまで及びました。
「投資の敵は他人ではなく自分自身」と語り、感情に流されず冷静に判断することの重要性を強調しました。また、「分散投資は、よく分かっていない人のための戦略だ」とも発言し、確信のある投資に集中する自身のスタイルを改めて示しました。
「過去には航空株やIBMに投資して失敗したが、それよりも悔やまれるのはGoogleやAmazonを“買わなかったこと”だ」と率直に述べ、自分の限界を認めつつも、学び続ける姿勢を見せました。
自分の敵は自分自身。
一流の世界ではどんな業界でもみんなそう言いますよね。
自分自身の規律を大事にしたいと思いました!
9. Appleに対する投資スタンスとリスク管理
Appleはバークシャーのポートフォリオで最大の構成比率を占めており、2025年時点でもバフェット氏は同社への信頼を強く表明しました。「Appleはハードウェア企業ではなく、ブランドそのものが価値を持っている」と述べ、特に“ユーザー囲い込み力”と“信頼”を最大の資産と見なしています。
一方で、「確信がなければ大きく賭けない」との姿勢も貫き、ポートフォリオ全体では保険、鉄道、エネルギーといった分野に分散しながらリスクを管理していると説明。「アップルからの配当は小さくても、長期的な成長と信頼に賭けている」と語りました。
10. 自己投資の重要性と若者へのメッセージ
バフェット氏は、若い参加者からの質問に対し、「最良の投資は自己投資である」と強調しました。彼は、インフレや経済の変動に左右されないスキルや知識を身につけることの重要性を述べ、特に若者には自分自身の成長に注力するよう勧めました。また、「自分が尊敬する人々と働くことが、人生の最大の報酬である」と語り、職業選択においても情熱と誠実さを重視する姿勢を示しました。
自己投資は、「人間関係」「情熱を持てる仕事」「読書と学習の継続」「感情のコントロール」「自分の能力の範囲を理解する」ことが挙げられてました!ちなみにバフェットはオマハの公共図書館で投資に関するすべての本を読んだそうです!!!
11. 気候変動とエネルギー政策への対応
総会では、気候変動に関する質問も取り上げられました。バフェット氏は、バークシャー・ハサウェイがエネルギー分野での投資を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していることを説明しました。特に、再生可能エネルギーへの移行や炭素排出削減の取り組みについて言及し、長期的な視点での環境対応の重要性を強調しました。
12. AIとテクノロジーの進展に対する見解
バフェット氏は、人工知能(AI)やテクノロジーの進展について、「これらの技術は大きな可能性を秘めているが、投資判断においては慎重であるべきだ」と述べました。彼は、AIがもたらす変革を認識しつつも、過度な期待や過信は避けるべきであり、実際のビジネスモデルや収益性を重視する姿勢を示しました。
13. 株主への感謝と信頼の重要性
バフェット氏は、長年にわたる株主からの支持と信頼に感謝の意を表しました。彼は、「信頼は一朝一夕には築けないが、失うのは一瞬である」と述べ、企業経営において誠実さと透明性が最も重要であると強調しました。また、株主との長期的な関係を築くことが、バークシャー・ハサウェイの成功の鍵であると語りました。
14. 経済の先行きと投資戦略
バフェット氏は、米国経済の先行きについて、「短期的な変動はあるものの、長期的には成長を続ける」との見解を示しました。彼は、投資においては市場のタイミングを計るのではなく、優良企業を長期的に保有することが成功の鍵であると強調しました。また、現金を保有することの重要性についても触れ、適切な投資機会が訪れるまで待つことの価値を説きました。
「現在の市場では魅力的な投資先が少ないため、現金を保有している。」と語った部分もありました。日本には魅力的な株がたくさんあると思うので、もっと探したいですね!
15. 総会の締めくくりと未来への展望
総会の最後に、バフェット氏は「これまでの60年間、皆さんと共に歩んできたことに感謝している」と述べ、株主への感謝の意を表しました。彼は、バークシャー・ハサウェイの未来について、「これからも誠実さと長期的視点を持ち続け、持続的な成長を目指す」と語り、明るい展望を示しました。また、後継者のグレッグ・アベル氏に対する信頼を改めて表明し、総会を締めくくりました。
いかがでしたでしょうか?
「世界一の投資家」として知られるバフェット氏の言葉には、投資の本質だけでなく、人生そのものへの深い洞察が込められていました。
94歳という年齢だからこそ語れる重みのあるメッセージを、僕自身もしっかりと受け止め、これからの投資や生き方に活かしていきたいと思います。
この記事が、皆さんのこれからの人生や判断に、少しでも良いヒントとなれば幸いです。
